あらすじ
父の死を受け入れようとしている少女の一日である。朝起きて学校に行くが、彼女は憂鬱に襲われている。それがゆえに見える人たちの卑しさを感じてしまうが、その彼らの卑しさの一面を自分も持っているのだと自覚してしまう。そして、女の人生は笑顔一つで決まる、などと言って嘆いて女に生まれたことを感傷していた。ただ、自然に触れ合っていると不意に父を感じて、自分が厭になった。そして、美しく生きたいと思いますと父に誓った。
家に帰るが、父の死んだことで気を張る母を見て、彼女は嫌気がさす。ただ、彼女も自分の意志を消して、社会に流されることを選ぶ。それを諦めと言って受け入れてしまうことで、平静を保てるが、ただ世間の中に埋もれていく。そして王子のいないシンデレラ姫になっていくのだ。
精神的に楽になるからといって流されるのも含めて、自分の力量だ。
少女は父によって社会から守られていたが、父の死から現実と対面することになった。彼女は触れ合う人の多くに不満を持っているが、彼らを変えられる力も意欲もない。そのままの現実を諦めて受け入れることで平静になり、長い時間を待てるようになり母のような大人になれると思っている。しかし、最後まで自分はシンデレラ姫のようだと、自分を特別な人間と謳っている
シンデレラは舞踏会に挑戦していき、王子の目に留まった。意欲もなく努力もしない少女が、自らをシンデレラ姫と思っているのは、ただ単に環境が悪いと思っているからだ。