あらすじ
兵隊のシモン、商人のタラス、馬鹿な農夫のイワンは兄弟であった。シモンとタラスがイワンにお金の無心をしても、イワンは馬鹿であるから素直に渡した。悪魔にそれを見られて、3人の仲を引き裂こうと策略された。
シモンとタラスは小悪魔に大きな野望を抱かされて、悪魔に飲まれていったが、イワンは馬鹿であるからそそのかされなかった。そして、悪魔によってシモンとタラスが一文無しにさせられた。悪魔の計略で、残すはイワンだけでるが、彼には欲もなく悪魔がどんなことを言っても伝わらなかった。なので、イワンを陥れることができなかった。
悪魔は頭を使って仕事をしようと村で唱えていたが、イワンの村人は誰一人理解できず、悪魔は倒れてしまった。
イワンは手がごつごつしている人にはご飯をあげて、手のきれいな人には残飯をあげるルールができた。
金や権威や楽して働きたいと思わず、地味に働くことが大切だ。
兄たちが悪魔にとりつかれたのは、権威欲や金欲があったからである。イワンはそれがなかったので悪魔に飲まれなかった。イワンが万病を治す木の根を悪魔から貰えたのも、将来のことを考えていたからではなく、ただ単に今の腹痛を治したかっただけである。食う物にも困っておらず、権力が欲しいとも金が欲しいとも思わず、そして馬鹿であるから、将来のことより、今直面している問題しか考えられないからだ。
イワンはやさしいのではなく、馬鹿だ。人助けしようというのはやさしさだが、イワンは充足しているから足りない人に上げるというだけであり、決して優しさからではない。また悪魔を汚いという理由で殺そうとしたのは恐ろしい。姫を助けようと家を出たが、手の動かない老婆を助けてしまったのもまた、治す力を持っているからである。相手が姫だとか老婆とかは差別していないのだ。
手のごつごつした人は真面目に労働している人だ。頭が悪く成果が出ない時もあるが、手の綺麗な怠け者と違い、うまくいく時もある。
大きな欲望に飲まれて、地味に働けなくなった人になるのではなく、馬鹿であってもいいので実直な人間になるべきだ。
東大を目指している人と、そこそこの大学を目指している人は同じ受験生なのだが、東大を目指している自分は頭が良いと勘違いするというのが、大きな欲望は現状を見誤るという例だろう。
働いている時間が長ければ偉いと勘違いするのは馬鹿である。けれど、長く時間を費やしているというのは素晴らしいことで、頭の善し悪しで効率が代わる仕事でなければ、つまり単純な肉体労働であれば長い時間に比例して成果は出てくる。怠け者は何をやらせても怠けるので救いようがない。
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