あらすじ
五位だが、ブスなおっさんは皆から馬鹿にされていた。しかし、彼はそれを特に何も思わなかった。
彼の夢は腹いっぱいに芋粥を食らうことだった。友人の利仁がいっぱい食わせてやると言って、彼を京都から敦賀まで連れていった。彼の屋敷についてから、徐々に芋粥が食べたくなくなってしまった。目の前に出てきた時、彼は食べる前に腹いっぱいになってしまっていた。そして、この願いが適う前の自分をうらやましく思った。
充たされるか充たされないか、わからない欲望は、生きる糧であり、持ち続ければ苦難を耐えられる。
五位は冬に突然、利仁に連れられて敦賀まで向えたのは、芋粥をたらふく食えることを期待していたからである。それがあるから寒さに耐えることができた。が、大量の芋粥を提示されると、それは五位にとって適えられる欲望になり下がる。つまり、芋粥を食べることは大したことのない欲望になってしまうのだ。利仁が芋粥を食べさせてやるから敦賀に行くと言わなかったのは、五位が知れば芋粥を食らう欲望は実現されるものになってしまい、魅力がなくなると知っていたのかもしれない。
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